製品の特長|適用範囲|材料|KISI-CON定着板の材質|円形・六角付き円形定着板の基準寸法|転造加工とは
KISI-CON定着板とは?
異形鉄筋に直接転造ねじ加工を施し、完全ねじと特殊ねじが併存するおねじ部に機械式定着板を配置した工法です。
異形鉄筋の定着板を装着する部分におねじを転造加工するもので、鉄筋端部に下削りを行ったのち、転造加工を行います。
定着板にめねじ加工し、鉄筋のおねじ部と締結する方式です。
KISI-CON定着板の特長
- 極めて簡単な施工。手締めで施工が可能。六角ナット式を用い作業性に優れています。コンパクトで納まりが良好です。
- 配筋作業の省力化。品質管理が簡単です。(ネジの余長が3mm以上あることを確認するだけです)
- 環境にやさしい工法。グラウトなどの注入が不要。廃棄の発生がありません。現地での火気取扱いはございません。
適用範囲
(1)構造種別
①鉄筋コンクリート造 ②鉄骨鉄筋コンクリート造 ③プレストレストコンクリート造
④プレキャスト鉄筋コンクリート造
(2)使用箇所
①梁主筋および柱主筋の柱梁接合部への定着 ②梁主筋の梁への定着 ③柱主筋の基礎部への定着
④基礎梁主筋の基礎部への定着 ⑤壁筋の梁、柱およびスラブ筋への定着
⑥小梁主筋およびスラブ筋の梁への定着
材料
種類の記号 | 呼び名 | 降伏点 | 引張強さ | 降伏比 | 伸び(※1) | ||
規格値 | 管理値 | 規格値 | 管理値 | 規格値 | |||
N/㎟ | N/㎟ | N/㎟ | N/㎟ | % | % | ||
SD345 | D22 | 345〜440 | 366〜440 | 490以上 | 554以上 | 80%以下 | 18以上 |
D25〜D41 | 19以上 | ||||||
SD390 | D22 | 390〜510 | 414〜510 | 560以上 | 633以上 | 80%以下 | 16以上 |
D25〜D41 | 17以上 | ||||||
SD490 | D22 | 490〜625 | 520〜625 | 620以上 | 701以上 | 80%以下 | 12以上 |
D25〜D41 | 13以上 |
※1 D32を超えるものについては、呼び名が3増すごとに表の伸び値から2%を減じる、ただし減じる限度は4%とする。
KISI-CON 定着板の材質
部品名 | 円形、六角付き円形定着板 | ||
適用鉄筋鋼種と呼び名 | SD345〜SD490 | ||
D22〜D41 | |||
種類 | 機械構造用炭素鋼鋼鋼材 | ||
規格 | JIS G 4051-S45C | ||
機械的性質 | 降伏点 | N/㎟ | − |
引張強度 | N/㎟ | − | |
焼き入れ焼き戻し | 硬度 | HRC 20〜28 | |
温度 | 860±10℃(焼き入れ) | ||
550±10℃(焼き戻し) | |||
許容差 | 厚さ/高さ | ㎜ | +0.6,−0 |
六角平径 | ㎜ | +0,−1 | |
外径 | ㎜ | ±0.5 | |
ねじ仕様 | JIS B 0205メートル並目ねじに準ずる | ||
定着板めねじの寸法および公差 JIS B 0209メートル 並目ねじ6H(旧2級)に準ずる |
円形、六角付き円形定着板の基準寸法
鉄筋 | D22 | D25 | D29 | D32 | D35 | D38 | D41 | ||
円形・ 六角付き 円形定着板 |
呼び径 | d | M23 | M26 | M29.5 | M32.5 | M35.5 | M39 | M42.7 |
ねじピッチ | P | 3.0 | 3.0 | 3.5 | 3.5 | 4.0 | 4.0 | 4.5 | |
外径 | Φ | 62.5 | 62.5 | 70.5 | 78.5 | 86 | 94 | 101 | |
厚さ | T | 24 | 24 | 28 | 28 | 32 | 32 | 35 | |
六角平径 | B | 41 | 46 | 54 | 60 | 65 | 70 | 75 | |
六角部/ 円形部 |
T/2 | 12 | 12 | 14 | 14 | 16 | 16 | 17.5 | |
めねじ仕様 | JIS B 0209 メートル並目ねじ 6Hに準じてモデファイ |
転造加工とは
転造加工は塑性加工の一種で金属に大きな力を加えると変形し、その力を取り除いても変形が残る。
これを塑性変形といい、塑性変形を利用した加工を塑性加工という。
刃物で金属を切削してねじ山を作る加工を切削加工と言っており、この工程では金属の切り屑が出てくることになる。
これに対して転造加工では切り屑は出ないことになる。加工時間も短く量産にも向いている。
この加工は常温(冷間)で行え、これにより加工硬化が起き、ファイバーフローを損なうことなく、より素材の持つ特性を活かすことができる。
(出典「ねじ基礎のきそ」門田和夫著)